kangosiyametaの日記

看護師である自分の母が癌になり。その日々を思い出として記す。

不穏との戦い

往診医には状態が悪化しやすいため起き上がりが禁止と言われた。トイレはオムツにとのこと。昼間買っておいたオムツがもう役に立つとは。

訪問看護師さんとオムツを装着させ、嫁は薬を受け取りに病院に走ってくれた。

しばらくして呼び出したパートナーが到着。事情を説明する。二人っきりになりたかろうと離れ弟と話し戻るとまさかの母がベッドに端座位になっていた。あんなに動かすなと言ったのに怒りを覚える。

食事をとるなどし、その後母はずっと寝たままだった。表情はやや険しい。苦しかろう。かわいそうに。

しばらくして旦那が到着。事情を説明し、そのまま寝る準備へと入る。

苦しそうに息切れが聞こえたため寝る前に医師に指示を頂いた通りにダイアップの座薬を使用、23時頃。次使用可は四時間後。

30分程し、静かになり母が寝ているのを確認し入眠する。

母の声で自分が覚醒したのは2時過ぎ。起き上がろうとしている。意識は朦朧。苦しいと答えつつもトイレに行きたいと話す。動くのが危険なためオムツをつけていることを説明、そんなん生き地獄やと嫌味を言われながらも対応。

寝る気配がなくどうしようか悩む。まだ次のダイアップしようまでは早い気がする。オプソを少量ずつスポンジブラシで口に含ませる。少し落ち着くが入眠するほどではない。添い寝をし、さすりながら過ごす。少し落ち着くがふとした瞬間にトイレに行こうと起き上がろうとしている。もうあと30分で4時間だからもういいだろと思い2回目のダイアップを使用。

引き続き添い寝をし、さすりながら過ごす。

どのくらい経ったのだろうか、いつのまにか自分も寝ており、気がついたら朝5時頃だった。おそらくもう薬の作用は切れているだろう。寝ているのか、レベルが低下したのか起き上がろうとする動作はない。しかし腕を寝た状態で宙に伸ばし何かしようとしている。きっとトイレに行こうとしているのだろう。最後の瞬間まで自分でトイレは行きたいと言ってた母。こんな状態になっても迷惑をかけないようししている、なんて強い人なんだと思っていると家族が起きてきた。