kangosiyametaの日記

看護師である自分の母が癌になり。その日々を思い出として記す。

退院まであと数日!

退院前に実家を母が過ごしやすく、自分たちが生活しやすいように環境を整える必要があった。

母の退院二日前、自分の連休を使い地元へ。実家に帰る前に病院へ寄る。

これから掃除をしないとだから手短にと思いつつ、今までで一番顔色は悪く、目はうつろ、時々焦点が合ってないので焦る。微熱が続き、入院も長引き疲れ切っているようだ。ウトウトしており、寝ている瞬間はまるで死人を見ているほどげっそりやつれ、血の気もなく、涙がこみ上げてくる。それでと親戚が来ると起き上がり会話している。気の強い人だなと改めて尊敬する。長居しても疲れさせてしまうなと判断し、実家の掃除をすることを伝え、あと2日で家だからと励まし離れる。

 

実家に向かうと朝から弟たちもプチ引っ越しのためアパートからベッド、キッチン用品を運びこんでいた。お嫁ちゃんのご両親はすこしでも気持ちよく退院を迎えれるようにと庭の手入れをしてくれていた。もともと年末から弟夫婦が同居しようとリフォームの準備中の段階であったためあちらこちらに段ボールがあり、戸棚の整理整頓まで追いついていない。とりあえずレンタルした介護ベッドからトイレまでつまづいたりぶつかる物がないようにし、台所、風呂場の片付けをする必要があった。ひたすら空いているところを作り、入れ、いらないものは捨て、自分が使いそうなものはイメージしながら使いやすいように片付けていく。3時間かかりリビング、台所は片付いた。やたらレトルトの物がたくさんでてきた。調子が悪くなってから調理はできず母の友達が差し入れをしたりしたそうだ。

そのまま風呂場、洗面台を開始する。ストーブや別の部屋から移動した戸棚、移動したままの洗濯機が置いたままであった。入院直前まで母はこの移動、掃除を一人でし、こんなぐちゃぐちゃな環境で生活していたんだということに胸がが引き裂かれそうになる。ご飯はいつからレトルトだったのだろう…可哀想な事をさせてしまったなと申し訳なく思う。せめて余命を少しでも快適に過ごせるようにと涙をこらえひたすらに片付ける。気がついたら2時間経っていた。さすがにクタクタで冷凍庫からレトルトをチンする。味は濃く、まずい。こんなんを毎日食べていたのか…そりゃ体が悪くなる…頬を涙が流れるのを感じる。母のこんな生活に気づかずにいた自分が情けなくなってくる。相談すらしてくれなかった事に悲しくなってくる。なんならこうなってしまったのは自分のせいじゃないのかと自分に嫌悪感、憎しみすら感じる。

一人掃除したリビングで泣きじゃくった。

その後自分の寝床とする祖母の部屋の掃除を何かにとりつかれたかのごとく夜中まで実施した。